鬼ガール(2020年)

○ドラマ
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鬼ガール(2020年)

鬼の末裔の女子高生の鬼瓦ももか。
彼女は女優志望で映画に出たい。
「幻の脚本」を探し出し、幼馴染みの蓮や仲間たちと映画を作成する、笑いあり涙ありの、恋と青春の物語。

ざっくり

高校生になったばかりの鬼瓦ももかは、映画女優を夢見る女子高生。
彼女には秘密があった。実は鬼の末裔だったのだ。
幼馴染みの蓮の父は世界的監督で、自分も監督になりたいと夢見ていた。

蓮の父が高校生の頃、撮影しようとし残念した「幻の脚本」を撮影したいと思い、脚本を探していた。

実は、ももかの父は高校生の頃、蓮の父と「幻の脚本」で映画を作ろうとした仲間だったのだ。
「幻の脚本」は高校生では難しい映像と舞台を組み合わせた「連鎖劇」だった。

ももかは仲間を集め、「幻の脚本」に挑戦する。

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あらすじ(ネタバレ)

鬼瓦ももか

何の変哲もないように見える朝の食卓。
父の鬼のパンツと一緒に自分の衣類を洗わないで、と父・鬼瓦大鉄に怒る鬼瓦ももか
その頭にツノが。
実はももかは鬼の末裔だったのだ。

桜咲く奥河内を自転車に乗り登校するももか
今日は高校初日で鬼バレするわけにいかない。
所が、幼馴染みの蒼月蓮が同じクラス。小学生の頃、彼に「鬼は外」と豆を投げられた嫌な思い出があるのだ。それも友達と集団で投げられた。

「怪力女」とも罵倒された記憶も蘇る。ももかの手にあった鉛筆の束は、無残にもへし折られた。

オーディション

テレビにも出ているイケメンの男の神宮寺岬から声を掛けられた。
自分が主演・監督をしている映画のヒロインになって欲しいからオーディションを受けて欲しいと頼むのだ。
ももかは嬉しくて浮かれて、家に帰ると嬉しくてベッドの上で叫び声を上げる始末。

観心寺の境内で一人発声練習をするももか
本気だ。

悲しき運命なのか、ヒロインのオーディションに行くと、他にも女の子が沢山いる。自分だけではなかった。
オーディションを受けるが、演技が大袈裟でイマイチ。結局ヒロインには選ばれなかった。

ももかは悔しくて悲しくて泣きながら家に帰った。

隠してる事の一つや二つあるやろ

そんなももかを心配して、親友の宇佐美雪が家に訪ねて来てくれた。
「辛かったら無理して出てこんで良いけど」
部屋に閉じ籠っているももかにが優しく声を掛けてくれた。
はみんなに隠してる事ある?あたし、演技でけへんかってん。私、実はな。実はな・・・」
ももかは秘密を口に出そうとした。
「みんな隠してる事の一つや二つあるやろ。自分の事話してたらキリないで。みんな、そんなもんやで。でもな、ももか。私はももかの事好きやで。出ておいでよ」
ももかは部屋の扉を開けて、に抱きついた。

妹のりりかはバンドをやっていた。りりかに話したら、鬼である事を全く気にしていなかった。
「鬼であることもひっくるめて自分じゃん」
と割り切っていた。ももかよりも大人だった。

幻の台本

ももかは図書館に行き、鬼に関する本を探していた。偶然、にあった。あの忌まわしき思い出のあるだ。

彼はある脚本を探しているのだった。彼の父は世界的な映画監督で、家庭を顧みず仕事をして、外国から戻って来ないのだ。
だから、父が高校生の頃、撮影しようとした脚本で映画を撮りたいのだと言う。この脚本を撮影すれば父が戻ってくるのだと信じているのだった。

ただ、それは高校生では不可能と言われ、消えてしまった幻の脚本なのだ。

ももかは金剛寺へ出掛けて行った。妹のりりかが寺の境内でロックのライブをしているのだ。演奏しているのは、あのブルーハーツの「トレイン・トレイン」だ。

演奏を聞いていたももかは感動して拍手をした。

父と母の秘密

ももかは家で、「鬼の歴史」の本を読んでいると、本からメモが見つかった。
「これ、どう言うことなん?」
父に見せると驚き
ヒトミ、この事をももかに話す時が来たぞ」
と亡き妻の遺影に話し掛け、部屋に飾っている額の裏から冊子を取り出した。
「桃連鎖」
と書かれている原稿用紙に書かれた脚本だった。

父と母、そして蓮の父・忍は高校生の頃一緒に映画を作っていたのだった。
それは連鎖劇と呼ばれる映画で、映像と舞台、演奏が組み合わされ、高校生には無理な映画だったのだ。
これが、の言っていた「幻の脚本」なのだ。

父は鬼、母は普通の人間。
そして、父は母に告白して結婚し、母が病気で亡くなるまで仲良く暮らしたのだった。

お父さんを越えよう

ももかに「幻の脚本」を見せると、は興奮して読んだ。
しかし、は「父にも出来なかった脚本。出来るわけない」と自信がない。
ももかは「やってみたい。お父さんを越えよう」
を勇気づけた。
二人は手を取り合い、意気揚々とする。

親友の、妹のりりかに声を掛け、映画を作る仲間を集め始めた。
イケメンの男の神宮寺岬に主演を頼みに行くが、断られた。彼は映画に飽きて、テニスを始めたのだ。

舞台が整う

所が、映画をする会場が見つからないのだ。

観心寺で、ももかが二人落ち込んでいると、いつもももかの発声練習を眺めていたお坊さんが
「私について来なさい」
と呼ぶ。
寺の講堂を貸してくれるのだ。

文字通り、舞台が整ったのだった。

肝心の主役

出演者に脚本が配られ、クランクインまで「あと5日」。
メイクの得意なティアラも仲間に入った。

でも、肝心の主演がいない。あの人しかないのだ。

橋に女の子たちが集まっていた。
ミサキ先輩が一人にしてくれって」
神宮寺岬が一人河原で落ち込んでいるのだ。
ももかは河原に降りて、ミサキに声をかけた。

「テニスはもう辞めたよ。僕はスポーツも勉強も得意だから、飽きちゃうんだ。」
「先輩は表現が好きなんじゃないんですか?映画の話をしている先輩はキラキラしてて。表現が物凄く好きなんじゃ」
「僕がいると女の子が険悪になるんだよ」
「一緒にやりましょう!みんなもキラキラした先輩が好きでしょ。お願い!」
ももかは頭を下げた。
すると気を良くしたミサキ
「分かっているよ」
と髪を掻き上げた。

なんで鬼は退治されるん?

ももかは家でセリフの練習をしていた。
「私の、、私の、本当の正体は鬼なんです・・」
ももかにはキツイセリフだった。

幼い弟のたいがが、寝る前に絵本を読んで欲しいとやって来た。「桃太郎」の話だ。
「なんで鬼は退治されるん?」
と悲しむ弟にももかは答えられなかった。

私の、、私の、本当の正体は・・・

映画の撮影が始まった。
ももかミサキのシーン。
「私の、、私の、本当の正体は鬼なんです・・」
ももかは、小さな声で悲しそうに、自信なさそうに言った。
監督をしていた蓮は、何か不満そうだった。完璧に見えるのだが。

撮影後、映画が完成し試写をしている時も、蓮はこのシーンに不満そうにしていた。何かがひっかかるんだ。

ももかは家に帰ってから、母親の事を思い出した。幼い頃、母に何故お父さんを好きになったのか聞いたのだ。
「お父さんが鬼だから好きになったのよ。」
と母はニッコリ笑って答えました。

映画祭が始まる

映画祭、当日。
観心寺に大勢の人々が集まって来た。
その中には、ももかの父蓮の父・忍もいた。

舞台の袖で、ももかは、あのセリフを何度も呟いていた。

ブザー音と共に幕が上がり、りりかたちの演奏がホールに響く。
銀幕には、ミサキの姿。鬼討伐の指令がくだり、ミサキは剣を取り戦いに出る。
戦いは銀幕の外、舞台の上まで繰り広げられる。

映画は、銀幕と舞台、代わる代わる繰り広げられた。

それでも、あなたは私の事を愛してくれるのですか

ミサキは鬼討伐の為の仲間を集め、休みを取るために、姫であるももかの屋敷へ。そこで、人間と鬼の間に不戦の調停があり、それを裏切ったのは人間の方だと知る。

ミサキは鬼の味方となり、人間側と戦うのだ。襲いかかる大勢の敵。戦いに勝つのだが、致命傷を負ったミサキももかが駆け寄り、鬼の力で傷を治す。

ミサキは自分と結婚して欲しいとももかに言うのだ。

そこで映像が消えた。
電源が抜けたのかも知れない。

ざわつく・・。

ももかは、舞台に一人出てた。目の前には、映画を監督していたがいた。
「私の、、私の、本当の正体は鬼なんです・・。それでも、あなたは私の事を愛してくれるのですか?私は、あなたを愛しています」
ももかの言葉には力が籠もっていた。
に言ったのだ。
ももかの目には涙が溢れていた。
は立ち上がり、マイクを手にとった。
「私は、あなたの事を愛しています。心の底から」
「私は鬼なんやで。鬼の私と一緒に生きてくれるの?」
「私と一緒に生きて下さい」

僕は思わず拍手をしてしまいました。

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感想・考察(ネタバレ)

感動でした

観心寺で見つけた「鬼ガール」。ブルーハーツのカバーが主題歌と言う事もあり、大阪先行の上映を観て来ました。
事前情報が少ない事もあり、実は、あまり期待してませんでした。

テンポ良くストーリーが展開され、最後まで飽きる事事なく楽しめました。最後のももかのセリフを言うシーンに不覚にも涙が止まりませんでした。

蓮が何故あのセリフに納得出来なかったか、最後のシーンで何となく分かりました。上手く言えませんが、前の言い方は弱々しく、ただゴメンなさいと断っているだけに見えます。
所が、恋愛には力があるはずなのです。あなたが好きなのだ、欲しいのだと言う感情がもっとセリフに出なければいけないのです。

映画後半の「連鎖劇」は見応えがありました。
銀幕と舞台で演劇が繰り広げられる迫力があります。これは映画の中の「連鎖劇」なのに引き込まれるのです。面白い作り方をしていると思います。
「世界の中心で、愛をさけぶ(2004年)」と同じくらいの傑作だと思います。今回の上映は、あまり話題になりませんでしたが、後々、傑作と評価されるのは間違いないと思います。

連鎖劇とは

連鎖劇とは、演劇と映画を組み合わせて物で、実演と映写を交互に行う演劇です。明治末期に生まれ、大正初期に流行しました。

映画が産業として成り立つ前の過渡期の形態としか捉えられていませんでした。法改正で,映画,舞台劇の同時併演が困難となり,ほとんど姿を消しました。しかし近年,3世市川猿之助が歌舞伎公演でこの手法を採用しています。

僕も「鬼ガール」を観るまでは、知識すらありませんでした。面白い手法だと思います。

ブルーハーツ

1985年結成。1987年にメジャーデビューし、1980年代後半から1990年代前半にかけて活動し、1995年に解散したロックバンドです。

「リンダリンダ」「TRAIN-TRAIN」「情熱の薔薇」「夢」など多くのヒット曲を生み出し、10代20代の心を捉えました。

青春に生きる人の色々な気持ち(特に世の中に対する不満)をストレートに表現する歌詞が、自分の気持ちを代弁してくれているように思えます。聞いていて気持ちいいです。

随分と時代が流れましたが、今聞いてもすっきりした気分になれます。

今回カバーと言う形で歌われ、色々な人に受け入れられる事が嬉しいです。

この歌は、リアルタイムで聞いていた上の方の世代の歌ですが、今を青春に生きる者の歌でもあります。今の10代20代の人の物になればいいと思います。

「トレイン・トレイン」

「リンダ・リンダ」

「キスしてほしい」

桃太郎の話

弟のたいがに「桃太郎」を読んであげると、「なんで鬼は退治されるん?」と悲しそうに言いました。言われてみれば、疑問に思う所です。

「桃太郎」の話では鬼は何も悪いことはしていません。ただ「鬼」と言うだけで退治され、宝物を奪われてしまうのです。冷静に考えれば酷い話です。善良な鬼だっているはずです。何も悪い事はしていないのに、鬼というだけで殺されては可哀想です。

(疑問に思う人もやはりいて、畠中恵の小説しゃばけシリーズ「物語のつづき」でも、「桃太郎」の話で鬼が退治される事に納得がいかないと鳴家やなりたちが怒っていました。

○しゃばけシリーズ(畠中恵)
江戸にある薬問屋の若旦那一太郎は、少し歩けば倒れ布団に運ばれる程、体が弱い。そんな一太郎は、実は、荼枳尼天だきにてんの孫で半妖。一太郎を守る為、小鬼の鳴家やなりなどの色んなあやかしが付いているのだ。彼の日常を描いた笑いあり、涙ありの物語です

最後の連鎖劇で、映像が止まったのは何故?

まるで事故で映像が止まったように描かれていますが、ももかが映像を止めたのだと思います。ももか自信もあのセリフに納得がいかなかったのでしょう。

そして、ももかは蓮にどうしても伝えたかったのだと思います。映画を止めてまで、と思う人もいるでしょうが、恋とはこう言うもんだと思います。恋とは熱い冒険なのです。

ロケ地

地図

鬼ガール ロケ地マップ
「鬼ガール!!」ロケ地マップ[PDF] 👈 クリックするとPDFが開きます

ロケの範囲が狭いので、いつか聖地周りをしたいです。

観心寺

観心寺 山門

大阪の河内長野市にあり、真言宗の修行道場で、楠木正成が学問を修めた寺です。楠木正成の首塚や後村上天皇の御陵があり、由緒正しさを伺わせます。

北斗七星の塚があり、星塚めぐりをして厄落としが出来ます。

https://inorilog.com/020710-kanshinji/

金剛寺

金剛寺は大阪府河内長野市にある真言宗の寺。高野山が女人禁制だったのに対して女性も参詣ができたため、「女人高野」とも呼ばれます。
南北朝時代(1336年 – 1392年)には、南朝の最重要拠点の一つとして、後醍醐天皇によって勅願寺とされました。

「天野山八十八ヶ所巡り」と呼ばれる、ミニ八十八箇所霊場を回る事が出来ます

延命寺

大阪の河内長野市にある真言宗御室派の寺で、紅葉の美しさで有名です。

この周辺は昔は鬼住村と呼ばれて鬼伝説があります。鬼が住み着いていて、子女や家畜をさらうなど悪い事をする為、9人の勇敢な村人が弓を使って鬼を退治したそうです。現在も近くを流れる石見川には、鬼住橋という橋が架かっています。

ゾクゾクっとしますね。

作品

板垣 瑞生 出演映画

原作

オフィシャル・ブック

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スタッフ・キャスト

監督 滝川元気
脚本 中村航 作道雄 瀧川元気
原作 中村航 「鬼ガール!! ツノは出るけど女優めざしますっ!」
製作 西野修平 内海直大
製作総指揮 中西康浩 瀧川元気
出演者 井頭愛海 板垣瑞生 上村海成 桜田ひより 吉田美月喜 曽野舜太 山口智充
音楽 梶原徹也
撮影 岡田賢三
制作会社 Studio-884.Pro
製作会社 「鬼ガール!!」製作委員会
配給 SDP
公開 日本 2020年10月16日
製作国 日本
言語 日本語

公式サイト

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