花束みたいな恋をした(2021年)
ざっくり あらすじ
終電を逃し、偶然出会った山音麦と八谷絹の二人。
居酒屋で話すと何から何まで趣味が合う。恋に落ちデートを繰り返す二人は同棲し、絶頂期を迎えるのだが、生活の為に働かなければいけない。
買ったばかりの花束は美しいが、時が経つと枯れ始めるように、二人のすれ違いが始まるのだ。
予告映像
感想・考察(ネタバレ)
趣味が何から何まであい、序盤は幸せな二人なのですが、段々とすれ違い、喧嘩をする。別れが近づいて行くのに、僕は最後まで「きっと二人は仲直りする」と信じながら観ていました。
見事なまでに、そんな僕の心は裏切られ、僕の気持ちもどん底に落とされました。
しかし、これが現実なのでしょう。
二人の様子を見ていたら、何か間違っているような気がしたのです。
それが何なのか、映画を見た人に委ねているようでした。
なぜ二人は上手くいかなかったのか、別れてしまったのか、考える必要があるのでしょう。
また映画の話の展開が見事でした。
ドキュメンタリーの様に日付を刻みながら映画が進んでいきます。
それがとてもリアルに感じられるのです。
なんの下調べをしていなかった僕は、小説を映画化したのだと考えていました。
脚本がしっかりしているのだと思います。
ただ、ラストで二人が付き合い始めた時のような恋人同士に戻って欲しかったと思います。
イヤホンのLR
音楽を二人でイヤホンを分け合って聴く二人。同じ音楽を聞いているつもりでも、異なる音を聞いている。同じように二人の過ごして同棲生活は異なる生活を見ていた。
このイヤホンは映画中でとても強調されていました。
同棲する二人の恋愛は、楽しい事があれば、苦しい事もある。
麦はイラストや趣味など楽しみを捨てて生活の為に仕事ばかりをした。彼が感じたのは人生の苦しい面ばかりだった。一方、絹は好きな仕事をしてゲームなどのを楽しんだ。
二人は一緒に遊んだり、sexをしたり、二人で楽しむような事はなかった。
「苦しさ半分、楽しさ2倍」
と言うのに。
二人は恋愛を二つに分けてしまったのだ。まるで音楽をイアホンのLRに分けて聴くように。
(L=Likeつまり好きな事、R=Realつまり現実を示しているのではないかと思います)
もし一緒に趣味を楽しみ、困っていたら助け合い、困難も話し合っていたら、違ったのかも知れない。
クリストフ・A・ティートゲの言葉に
『喜びを人に分かつと喜びは二倍になり、
苦しみを人に分かつと苦しみは半分になる。』
とあります。
花束
花束は買った時は美しいが、時が経つにつれ枯れ始める。同じ様に恋も段々と枯れていくのかも知れない。
絹と麦の恋もまるで花束の様に、最初は華やいで、時が経つにつれ枯れていきました。
これでは、この映画は悲しい映画でしかないです。
他にも良い意味が隠されているのかも知れないと信じたいです。
花束とトイレットペーパー
映画の題名になっている花束。
絹が母親から頼まれたトイレットペーパー。
この二つが映画のラストシーンである、ストリートビューに出てきます。
花束が絹が求めるような恋や好きな事(=Like)を表していて、トイレットペーパーが麦が向き合ったような現実的な事(Real)を比喩しているのかも知れません。
好き
あらすじを書きながら、映画を思い出し気が付いたが、二人の間に「好き」と言う言葉が交わされていないのです。
恋愛をすれば、相手に「好き」だとか「愛してる」と言う言葉を交わすと思うのですが、交わされていないようです。
二人のすれ違いも、そんな愛情表現が欠如していた事も原因かも知れません。
映画館の様子
映画を見終わった時に近くにいたカップルの片割れの女の子が「有村架純、可愛かったね」とポツリと言ったのが印象に残っています。
結局別れてしまう映画を見せられて不満だったのだと思います。
あまり映画デートには向かないかなと思います。
サウンドトラック
Awesome City Club / 勿忘
作品
スタッフ・キャスト
監督 土井裕泰
脚本 坂元裕二
製作 有賀高俊 土井智生
出演者 菅田将暉 有村架純 清原果耶 細田佳央太 オダギリジョー 戸田恵子 岩松了 小林薫
音楽 大友良英
制作会社 フィルムメイカーズ リトルモア
製作会社 『花束みたいな恋をした』製作委員会
配給 東京テアトル リトルモア
公開 日本 2021年1月29日
上映時間 124分
製作国 日本
言語 日本語
引用元:ウィキペディア
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