スイス・アーミー・マン (2016年)
スイス・アーミー・マン (2016年)
あらすじ
ざっくり、あらすじ
無人島に遭難した青年ハンクが孤独に耐えきれず死のうとした時、波打ち際に男の死体が流れ着いた。ハンクが死体に跨ると死体のガスの力でジェットスキーのように進み出した。
ある海岸に流れつく。誰もいない無人島で困っていたのだが、死体は口から水を出したり手で木を切ったり様々な機能を持ち、ハンクはその力で生き延びた。
ハンクは死体をメニーと名付けた。死体のはずのメニーは言葉を話し始め、二人で協力して旅し、友情が芽生える。
感想・考察 (ネタバレ)
兎に角、奇想天外
兎に角、奇想天外な映画でした。ハリーポッターのダニエル・ラドクリフが死体の役をするだけでも驚きですが、死体がジェットスキーになるわ、飲み水を出すわ、口から発射して狩りをするわ。ポール・ダノは女装するわ。兎に角驚きでした。一体何が起こっているんだろう。そんな気持ちで観ていました。正にB級映画。
しかし、ラストで一転します。現実に戻り、死体は動かなくなり別れが来ます。悲しみが込み上がってくるんですね。祭りの後の静けさのように。しんみりです。これは「天才的」と言う言葉が合うのでしょうか。
メニーの正体 現実なのか幻想なのか
この映画はラストシーンで全てが語られています。
ハンクが
「迷惑かけたね。悪かった。この世の楽しさをぜひ教えたかった。俺の苦手な恋愛も経験させたかったんだ。みんな俺たちを笑い気持ち悪がる。だけど、そんな事関係ない。お願いだから死ぬな。」
ハンクが無人島でメニーを見つけた時、自分も死んだらこうなると頭によぎったんだと思います。それで必死に無人島を抜け出したのでしょう。
一人の寂しさからサミーを話し相手にしたのでしょう。小さな子供が人形で遊ぶのと同じでしょう。ハンクはサミーで色々な想像をしながら孤独を紛らわしたのでしょう。
その時ハンクの言葉通り、「この世の楽しさ」を教えたくなったのだと思います。
メニーに自分自身も重ね合わせていたのもあったのだと思います。
メニーは、一言で言うと「幻想」です。
でも、全てが幻想だったのでしょうか?
取材を受けた時ハンクは「僕の命を助けてくれた。不思議な力を持っている」と言っています。どんな力なのでしょうか?あくまで想像ですが、テレパシーか何かで話し掛け、人に生きる力を与える事が出来るのではないでしょうか。何か不思議な力を持っているのだと思います。
ラストでハンクはなぜオナラをしたのでしょうか?
メニーに君は親友だよと伝えたかったのだと思います。メニーはハンクが隠れてオナラをしていたのを気にしていました。だから、目の前でオナラをして親友の証しにしたのだと思います。
(字幕では「証明しよう」、吹き替えでは「みんなに見せてやるから」と言っていますが、わかりにくいですね。)
「スイス・アーミー・マン」とは
「スイス・アーミー・マン」とは「スイス・アーミー・ナイフ」のように便利な機能の備わった人間ですね。そんな人間になれたらいいですね。
ダニエル・ラドクリフは、どうして役を受けたのでしょうか?
以下は、あくまで僕の考えです。
自分が死体のようだと思っていたのでしょうかね。ハリーポッターは大成功したけど、その代わりハリーポッターのイメージがまとわりつく。自分ではなくハリーポッターとしてみんなが見ている。自分は死体のようだと思っていたのかも知れません。生きる気力なくしていたのかも知れませんね。
ラドクリフは、人前でオナラをする事も出来なければ、下ネタをする事も出来ない。
何でもイメージの良い役だけでなく色々な役をしたいのに回ってこない。
イメージをぶち壊して、新たに色々な役にチャレンジしたかったのだと思います。
最後のハンクのセリフもラドクリフに向けての言葉だと思います。
(もしかしたら、ラドクリフの知り合いの誰かに向けての言葉かも知れません)
上にも書きましたが、悪まで100%勝手な想像です。
作品
スタッフ・出演
監督ダニエル・シャイナート ダニエル・クワン(ダニエルズ(英語版))
脚本 ダニエル・シャイナート ダニエル・クワン
出演者 ポール・ダノ ダニエル・ラドクリフ メアリー・エリザベス・ウィンステッド
ダニエル・シャイナート,ダニエル・クワン,ポール・ダノ,ダニエル・ラドクリフ,メアリー・エリザベス・ウィンステッド
音楽アンディ・ハル(英語版) ロバート・マクダウェル(英語版)
配給 アメリカ合衆国 A24 日本 ポニーキャニオン
公開プレミア 2016年1月22日(2016年(英語版)サンダンス映画祭) アメリカ合衆国 2016年6月24日(限定公開) アメリカ合衆国 2016年7月1日(拡大公開) 日本 2017年9月22日
上映時間 97分
製作国 アメリカ合衆国
言語 英語
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