この世界の片隅に(2016年)
この世界の片隅に(2016年)
あらすじ (ネタバレ)
昭和13年広島の街。すずは絵の得意な少女。おっとりした性格でおっちょこちょいで失敗ばかり。
友達のために、広島の海の絵を描きました。
その海には白いウサギがたくさん飛んでいます。
ある日呉の街へお嫁に行くことになりました。何処かですずを見初めたらしいのです。
旦那の姉が娘晴美を連れて呉の実家に帰ってきたのですが、すずは旦那の姉にいびられてしまいます。それも頭にハゲが出来るほどです。
旦那とすずは余所余所しくも、少しずつ溶け込んでいきました。
空襲で防空壕で二人が口づけをするのですが、なんだか微笑ましいです。
毎日が何やら騒がしく楽しいのです。
すずと晴美の会話。すずのおっちょこちょいな失敗。
戦争の事など忘れてしまうくらいでした。
スクリーンに日付が映し出されているのに気づきます。
まるでカウントダウンのように思えました。
昭和20年、呉への空襲が激しくなっていきました。
空襲の後、すずと晴美が二人で歩いている時、不発弾が爆発します。
それで晴美は命を失い、すずは右手を失ってしまうのです。
すずは「もし晴美を左手で手を繋いでいたら」「もし晴美を連れて駆け出していたら」と自分を責め泣き叫びます。
娘の晴美を失った径子はすずに怒りをぶつけます。
昭和20年8月、空が明るく光ります。広島で新型爆弾が落とされました。
8月15日日本は降伏します。
すずは「最後まで戦うんでなかったのか!」と怒り震えるのです。それまでのおっとりしたすずと違います。
まだ小さい少女が母親を失い、彷徨い歩いていました。
周作とすずはその少女を見つけ、家に連れて帰ります。
また周作とすずの家には笑顔が蘇りました。
感想・考察 (ネタバレ)
戦時中の広島・呉の様子が描かれています。戦時中で空襲があろうと、食べ物がなかろうとすずたちは元気よく生活しています。
すずたちが明るく楽しく振る舞うので見ていて楽しいのですが、戦争の結末を知っているだけに切なくなりました。
空襲があり、原爆があり、人の死があり、たくさんの辛い出来事があります。
そんな悲しい背景があるのですが、この映画では、たくさんの笑いがあり、全体的に明るく、前向きな終わり方をします。
観た後で、気持ちを前向きにさせてくれます。
戦時中強く明るく生きたすず。
僕たちも強く明るく生きたいと、そう思わせてくれる、後味のいい映画でした。
憲兵と笑い
すずが港をスケッチしていると憲兵に見つかり、スパイの疑いがあるだとか、怒鳴り散らすのですが、憲兵が去った後みんなで笑い出します。
どんな時でも笑いが絶えないのですね。
配給の残飯
戦後すぐに米兵からの食べ物の配給を受け取ると、それは米兵の食事の残飯でした。それも何かの蓋まで入っています。
腹立たしい所なのですが、それを美味しいと食べている姿が情けなくもあり、微笑ましくもあります。
座敷わらしとリン
映画の始めの方で、屋根裏からボロボロの着物を着た座敷わらしが現れ、食べ残しのスイカを漁る。
その後、すずが座敷わらしのために新しいスイカと着物を用意しました。
その座敷わらしが誰か、後になって分かります。遊郭で出会ったリンです。
リンが「貧しくて人の食べた皮ばかり食べていたけど、一度、親切にして貰って赤いとこ食べたね」と言っていましたね。
エンドロールの描かれるリンの人生
エンドロールで、物語の続きを絵で見せてくれる。孤児の少女と家族の様子が微笑ましい。
リンがすずと出会うまでのストーリーが絵で見せてくれますが、切なくなりました。
リンは貧しい家の娘で女中として売られるですが、虐められて逃げ出します。逃げた先がすずの叔母の家なので、食べ残しのスイカを食べているのがリンです。
リンはその後遊郭で働く事になります。
その遊郭も空襲で焼けてしまうのですが、僕はリンは逃げて幸せになっていると信じたいです。
すず、すみ、けいこ、晴美、りん・・・素敵な女性の物語でした。
彼女らは女子力高めの女の子たちです。
サウンドトラック
コトリンゴ -「 悲しくてやりきれない 」
コトリンゴ -「みぎてのうた」
コトリンゴ -「たんぽぽ」
作品
この世界の(さらにいくつもの)片隅に(2019年)
この世界の片隅に【TBSオンデマンド】(2018年)実写ドラマ
原作の漫画
スタッフ
監督 片渕須直
脚本 片渕須直
原作 こうの史代『この世界の片隅に』
出演者 のん 細谷佳正 稲葉菜月 尾身美詞 小野大輔 潘めぐみ 岩井七世 牛山茂 新谷真弓 澁谷天外(特別出演)
音楽 コトリンゴ
主題歌 コトリンゴ「みぎてのうた」
(引用:ウィキペディア)
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