イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密(2015年)
イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密(2015年)
あらすじ (ネタバレ)
数学者であるアラン・チューリングが、刑事に尋問されるシーンから映画が始まります。
彼はスパイの疑いが掛けられいるのです。
第二次世界大戦が始まる頃、チューニングは暗号解読の仕事に着きます。
暗号解読チームはドイツの暗号マシンエニグマの作る暗号を解いていました。
人数を掛けて暗号を解いているのですが、チューニングは暗号解読の機械を作ることを提案したのです。
チューニングは子供の頃酷く虐められていました。
その時、彼と仲良くしてくれた男の子がクリストファーです。
彼の勧めで暗号の勉強をする事にします。
チューニングは彼を慕っていました。
いや、愛していたのです。
チューニングは暗号解読マシン「クリストファー」の開発に成功するですが、そのマシンを持ってしてでも、ドイツの暗号は解読出来ません。
そんなチューニングを嫌っている軍人が、チューニングにスパイの容疑をかけるのです。
執拗なまでに追い詰めて、チューニングを解雇させようとしました。
彼を解雇しようとした時、チームメンバーは「チューニングを解雇するなら自分も解雇しろ」と彼をかばうのです。
彼は助かりました。
チューニングは暗号解読チームのメンバーの女性ジョーンと結婚の約束をします。
ある日ドイツの通信を傍受している女性が通信の内容が奇妙だと会話していました。通信に暗号の鍵が隠されていたのです。
鍵に気付いたチューニングたちは暗号解読を成功させました。
ドイツの暗号が解読されたのですが、秘密にされました。
暗号が解読された事がバレれば、暗号の設定が変えられてしまうからです。
暗号解読に活躍したチューニングですが、スパイの容疑は掛けられたままでした。
婚約者ジョーンに危険が及ぶと思ったチューニングは婚約を破棄します。
(その時、チューニングの事を仲間たちがモンスターと呼んでいる、とジョーンは言います。仲間も彼の事を奇妙な人間だと思っていたのです)
暗号解読をした事によって、ドイツの作戦はことごとく失敗に終わります。
そして、イギリスは勝利を治める事ができました。
暗号解読によって2年以上早く勝利を迎えたのです。
戦後1951年刑事が尋問しているシーンに映画は戻ります。
チューニングはスパイの容疑を掛けられているが、同性愛の証拠があり罪を問われました。
戦後、元婚約者ジョーンはチューニングに会いに来ました。
チューニングの様子がおかしいのです。
チューニングは同性愛の罪で刑務所に入るのか、同性愛の治療をするのか選択を迫れれ、刑務所に入りたくない彼は治療のためのホルモン注射を打ち続けていたのです。
(1967年までイギリスでは同性愛は犯罪とされていました)
数年後、チューニングは41歳で自殺します。
彼らの活動は50年以上英国政府によって秘密にされていました。
2013年になりエリザベス女王は、チューニングに恩赦を与えます。
チューニングが開発したマシンは、その後コンピュータと呼ばれるのです。
感想・考察 (ネタバレ)
数学者チューニングが戦時中、ドイツの暗号解読の仕事で活躍して、それによってイギリスが戦争に勝利する。
活躍がとても気持ちの良いものだが、一方、チューニングはずっとスパイの容疑を掛けられ、追い詰められていく。
彼の開発した暗号解読マシンによって勝利したにも関わらず、戦後もスパイの容疑を掛けられ続ける。
酷い話だ。
チューニングは同性愛者で、人の気持ちも考えずに言動・行動してしまうような変わり者だが、チューニングが嫌いと言うだけで、スパイの容疑を掛け何年も追い詰めていった軍人は異常ではないか。
チューニングは自殺した事になっているが、話の流れを見ると、殺されたのかと思う。
○ イギリスを勝利に導き、コンピュータの礎を築いた大天才。
にも関わらず、不幸な人生を歩む。これは天才故の宿命なのか。
天才と言うのは危険なのか。
(エニグマ)
○ 「誰も予想しなかった人物が誰も想像しなかった偉業を成し遂げる事だってある」
これは、友人クリストファーがチューニングに言った言葉であり、チューニングが元婚約者ジョーンに言った言葉でもある。
そして、ジョーンがホルモン注射でボロボロになったチューニングに言った言葉でもある。
そして、
「あなたがふつうじゃないから、世界は素晴らしい」
とジョーンはチューニングに言うのである。チューニングにとって、どんな勲章を貰うより嬉しい事だろう。
○ 戦後コンピューターは、アメリカ活躍した数学者フォン・ノイマンによって発展した。
もし、チューニングを相応の扱いをしていたら、コンピューターをリードしたのはイギリスだったかも知れない。
ビル・ゲイツとスティーブ・ジョブズはイギリスから生まれたかも知れない。
○ チューニングは刑事に尋ねる
「教えてくれ。私は何だ。私はマシンか?人間か?戦争の英雄か?犯罪者か?」
刑事は「答えられない」と言う。
チューニングはずっと孤独で人から奇異に見られていた。
仲間からもモンスターと思われていた。自分を人として扱って欲しかったのかも知れない。
(2時間があっという間で、もう一度観ました。字幕版を観て、更に吹き替え版を観ました。オススメです)
○中田敦彦のYouTube大学で、アラン・チューニングが紹介されました
作品
スタッフ
監督 モルテン・ティルドゥム
原作 アンドリュー・ホッジス(英語版)
出演者 ベネディクト・カンバーバッチ キーラ・ナイトレイ マシュー・グッド ロリー・キニア チャールズ・ダンス マーク・ストロング
公開 イギリス 2014年11月14日 アメリカ 2014年11月28日 日本 2015年3月13日
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