レ・ミゼラブル(2012年)

○ドラマ
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レ・ミゼラブル(2012年)

ざっくり、あらすじ(ネタバレ)

フランス革命から26年後、パンを盗んだ罪で投獄されていたジャン・バルジャンは仮釈放を受けた。仕事が無いバルジャンは泊めて貰った教会で銀の食器を盗む。すぐに捕まるが、司教はそれはあげた物だとバルジャンを庇う。

バルジャンは改心し、工場を経営する市長になる。警部のジャベールは、バルジャンが罪人だと気付き追いかける。
ファンテーヌは娘コゼットを宿屋に預けバルジャンの工場で働いていた。しかし、言いがかりをつけられ首になる。身売りをしていたファンテーヌは病気で死んでしまう。バルジャンは責任を感じ、娘のコゼットを宿屋から貰い受け育てる事にする。ここでも、ジャベール警部は執拗にバルジャンを追う。ジャベール警部は、ずっとバルジャンを追い回すのだ。

時は流れ大きくなったコゼット。革命運動家のマリユスに恋をする。
マリユスは革命を起こすが一夜にして鎮圧されてしまう。大怪我を負ったマリユスをバルジャンは助け、マリユスとコゼットは結ばれる。
バルジャンは二人の幸せを見届け、静かに眠りにつくのだった。

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感想・考察(ネタバレ)

無情としか言いようが無い

たった一つのパンを盗んだ罪で19年も牢獄に入れられたジャン・バルジャン。それを執拗に追うジャベール。その周りに現れる人々。登場人物が哀れな人生を歩みます。特に、ファンテーヌは悲惨でした。彼女の人生を見て映画を観るのを止めようと思ったくらいです。

神の教えを守ろうとするジャン・バルジャンが天に召されるのが救いでした。
きっと天国に行って、神様に愛されると思います。

邦訳は「ああ、無情」です。上手く訳したものだと思います。
(ラストは、映画では亡くなったバルジャンがファンテーヌに導かれて司教の元に歩いて行きます。原作では、ジャン・バルジャン は、ただ見守られて死ぬのです。何か虚しい気持ちでした。ああ、無情と言う気持ちでした)

「レ・ミゼラブル(Les Misérables)」の意味

「レ・ミゼラブル (Les Misérables)」とはフランス語で、「悲惨な人々」「哀れな人々」と言う意味です。

・ジャン・バルジャンは、パン一つ盗んだ罪で19年も牢獄に入れられ、その後も追われる
・ファンテーヌは、男に捨てられ、生まれた娘の為に髪を売り、歯を売り、身を売る
・コゼットは、親と離れ離れになり、テナルディエにこき使われる
・エポニーヌは、片思いのマリウスにどんなに尽くしても振り向いて貰えず死んでしまう
・ジャベールは、不幸な生まれで法の下僕として働くが、それが正しいか揺らぎ自殺する

本当に神様はいらっしゃるのだろうか!と言いたくなる。

小説を読んで、映画も見たのですが、この物語は『無情』としか言いようが無いです。

フランス革命

フランス革命は1789年に、バスティーユ牢獄が襲撃した事で勃発します。ルイ16世は処刑され王政は廃止されます。
しかし、その後も混乱は続くのです。
映画では、1832年になっても民は貧しく、マリウス達は革命を起こそうとします。
一夜にしてフランス革命が起こったような印象がありますが、ずっとフランスの政治は混乱し続けるのです。

フランスでは、18世紀から飢饉が続いていました。
”自由の為に戦った国で、パンの為に戦っている”と映画で言っています。
結局、パンなんですね。

何故、ジャベールは自殺したのか?

法に遵守するジャベール。ジャベールは法の番人として生きて来ました。法を遵守し、自分にも罰を与えようとする程です。
(逆に、ジャン・バルジャンは、法を破っても神の教えを守って来ました)
ジャン・バルジャンは、ジャベールを革命家達から逃します。逆にジャベールは下水道から出て来たバルジャンを逃しました。彼らを動かしたのは”善(神の教え)”です。しかし、バルジャンを逃すことは法に逆らう事です。
法の番人であるジャベールが法に逆らい、善(神の教え)を行ったわけです。
信念が揺らいだジャベールには、この世に意味はありません。
それで死んでしまったのです。

さて、法が正しいのでしょうか?
それとも、神の教えが正しいのでしょうか?
どちらが正しいのでしょうか。

これがこの映画の主題になっているように思えます。

ジャン・バルジャンがコゼットのもとを去った理由

バルジャンは、ずっとジャベールに追われていました。コゼットを連れてからも追われ、彼女を危険に合わせます。
ジャベールはセーヌ川に身を投げますが、バルジャンは知りません。
マリウスとの結婚生活を送れるように、コゼットの元から去ったのだと思います。
その後、生きがいを失ったバルジャンは体を壊し、天に召されます。

ラストのファンテーヌ

悲惨な人生を送ったファンテーヌがラストで現れ、ジャン・バルジャンを司教の元へ導きます。
これは、天の使いとしてファンテーヌが現れたのだと思います。
きっとファンテーヌは天国に行き、神様に愛されているのだと思います。
僕は心から喜びました。
小説ではファンテーヌはラストで現れません。
無情な「レ・ミゼラブル 」ですが、このシーンで救われました。

ビクトルユゴーの手紙

原作者ビクトル・ユゴーが「レ・ミゼラブル」の売れ行きを心配して出版社に

と書いた手紙を出します。
出版社から返ってきた手紙には

と書かれていました。とても売れているよ!と言う意味です。

有名なエピソードですね。

名シーン(動画)

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作品

レ・ミゼラブル(1998年)

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スタッフ・キャスト

監督 トム・フーパー
脚本 ウィリアム・ニコルソン(英語版) アラン・ブーブリル(英語版) クロード=ミシェル・シェーンベルク ハーバート・クレッツマー(英語版)
原作 (小説) ヴィクトル・ユゴー
(ミュージカル) アラン・ブーブリル クロード=ミシェル・シェーンベルク
製作 ティム・ビーヴァン エリック・フェルナー デブラ・ヘイワード キャメロン・マッキントッシュ
製作総指揮 ライザ・チェイシン アンジェラ・モリソン ニコラス・アロット リチャード・パパス
出演者 ヒュー・ジャックマン ラッセル・クロウ アン・ハサウェイ アマンダ・サイフリッド エディ・レッドメイン ヘレナ・ボナム=カーター サシャ・バロン・コーエン アーロン・トヴェイト
音楽 クロード=ミシェル・シェーンベルク
製作会社 ワーキング・タイトル・フィルムズ レラティビティ・メディア
配給 アメリカ合衆国 ユニバーサル・ピクチャーズ 日本 東宝東和
公開 イギリス 2012年12月7日(ロンドンプレミア)日本 2012年12月21日 アメリカ合衆国 2012年12月25日 イギリス 2013年1月11日
上映時間 158分
製作国 イギリス アメリカ合衆国
言語 英語

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ラッセル・クロウ出演

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